252 相模野基線

2014年3月29日 (土)

丹沢山

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今日は丹沢山(たんざわさん)に登ってきました。丹沢山は(丹沢山塊として)日本百名山のひとつであり、また相模野基線の増大により形成された一等三角網の最初の一等三角点2点のうちのひとつがある山です。

以前からどのタイミングで登ろうかと考えていたのですが、当方にとっての最大のネックはガイドマップにも「夏期ヒル注意」と書かれるほどの東丹沢のヤマビルで、雪が融け始め、まだヤマビルは活動していないであろうこのタイミングを狙って登ることにしました。

中津川にかかる塩水橋(しおみ(ず)ばし)脇のスペースに車をデポして出発です。丹沢の山に入るのは実に30数年ぶり、まずは本谷林道のゲートです。

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すぐに本谷林道から分岐する塩水林道を歩きます。主に沢から押し出された雪が残っていて、雪の上を歩くと冷たい空気を感じます。

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下の雪の写真はワサビ沢の分岐あたりで撮ったもので、雪が林道全面を覆っているにもかかわらず踏み跡がありません。不審に思い地図をみるとここから近道が分岐していました。近道といっても林道ができる前の登山道という感じです。とは言え適当に地図を見たのでワサビ沢につられて歩いて行ってしまいちょっと時間をロス(9分)してしまいました。

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登山道を登ります。この辺りでは雪がないので結構暑いくらいで・・・汗が出て身体中の毒素が汗とともに流れでてきているような感じでした。

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本谷林道終点近くの国土交通省の堂平雨量観測施設の脇に出てきました。ここでコンビニで買ってきたオムスビを食べて一休みです。

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ここからはしばらく登山道を歩きます。傾斜の緩やかな針葉樹林を抜けると、かながわの美林50選に選ばれている「丹沢堂平のブナ林」です。

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ブナ林を過ぎて堂平沢を横切ったあたりから雪が目立つようになります。念のためアイゼンを持って行ったのですが結局使いませんでした。ここから天王寺尾根に登るまでの区間が、雪でどこが登山道か分からず、傾斜もあって雪で滑りやすく今日の行程で最も大変な区間でした。

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天王寺尾根にやっと合流です。

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天王寺尾根のクサリありのガレ場です。このあたりまで来ると大山がドドンッと良く見え、相模野基線の増大時に三角点が設置された湘南平や、その向こうに相模湾が霞んで見えていました。

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階段です。

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頂上が近くなってきました。木道があるようなのですが、ほとんど雪の下で見えません。本日の最高心拍数161はこの辺りで記録しました。

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丹沢山の頂上に到着です。富士山の威容に圧倒されます。この富士山が見えただけでも登ってきた甲斐がありました。この記事の冒頭の写真もこちらで撮影したものです。

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一等三角点「丹沢山」標高1,567.06mです。頂上での展望は北や東の方向は良くありません。したがって相模野基線の増大にまつわる他の三角点の方向の眺めを確認することはできませんでした。

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一等三角点を確認後昼食。山小屋のみやま山荘に寄ってカップヌードル@400円を食べ、山バッジ@500円を購入しました。シーフードカップヌードルは塩味が効いていて美味しかったです。

下の写真は丹沢山から少し蛭ヶ岳方向に移動して撮影したものですが、右のピークが丹沢山塊最高峰の蛭ヶ岳です。コースタイムは丹沢山から往復3時間20分ですので登るのは諦めました。

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下山開始です。天王寺尾根に経路をとり本谷林道を目指します。アシビの木が多いです。

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針葉樹林(神奈川県有林)を抜け本谷川まで降りてきました。下の写真は登山口近くのつり橋から撮影したもので、橋のところが登山口になります。深田久弥の日本百名山では丹沢の谷にある立派な河原について触れられています。

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本谷林道を歩き始めてしばらくすると・・・唖然、茫然、どうしようか・・・と思いましたが、現場を良く見まわして無い知恵を絞ってこの難所をクリアしました。この岩が動きでもしたら命に係わりますので安全な方法を選びました。

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出発点の塩水橋まで帰ってきました。橋上流の3重の砂防ダムです。近くの説明板の記載によれば1938(昭和13)年の施工だそうです。きっと丹沢の谷では関東大震災後から延々と砂防工事が続いているのだと思います。

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車に戻ると屋根の上は杉花粉で黄色く見えました。ちょっとビックリです。今日はほぼコースタイムどおりの山行で、結局ヤマビルにも遭わず、きれいな富士山が見え、一等三角点も確認できて満足な1日でした。
車に乗って細い県道70号(秦野清川)線で対向車に道を譲るためにバックしたりしながら走って帰路につきました。宮ヶ瀬湖です。

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圏央道の工事です。

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帰りの高速のPAで山登りに行ってきたという知人にバッタリ。世の中はせまいです。

タイム 塩水橋ゲート⇒48分⇒ワサビ沢分岐(3分休憩)⇒道迷い(9分)⇒22分⇒堂平雨量観測所(8分休憩)⇒1時間9分⇒天王寺尾根分岐(7分休憩)⇒45分⇒山頂(37分休憩)⇒45分(蛭ヶ岳方面へ少し往復)⇒天王寺尾根分岐⇒1時間38分(8分休憩含む)⇒本谷林道⇒34分⇒塩水橋ゲート

※これにて当ブログの相模野基線関連の記事は終結です。

※ この記事中の三角点の点名及び標高は国土地理院の基準点成果等閲覧サービスから引用したものです。

2014年3月25日 (火)

鹿野山

今日は相模野基線の増大により形成された一等三角網の最初の2点のうちのひとつである鹿野山の一等三角点を見てきました。当ブログの相模野基線関連の記事は、相模野基線連光寺村湘南平と基線の増大を追って続き、今回の鹿野山を経て丹沢山で終結する予定です。

※2014(平成26)年3月29日追記 丹沢山の探訪記事を追加しました。

少々やりくりして時間をつくり道路の混雑が予想される3月25日(火)の朝、車に乗って出発。一般道で渋滞、首都高でも渋滞で、ようやく海ほたるまでやって来て一休み。風の塔との間を作業船が横切って行きました。

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再び走り出して館山道の君津PAのスマートICで高速を降りて鹿野山に向かいます。鹿野山測地観測所に到着です。目指す一等三角点はこの観測所の敷地の中にあります。

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普段は閉まっているという門扉が今日は開けられています。立入禁止の表示がある敷地内に不用意に立ち入ることは、軽犯罪法や刑法の規定を持ち出すまでもなく、観測の支障になるかもしれないし、あるいは警備関係者をお騒がせすることになるかもしれないし・・・・・・

ということで事前に諸手続きを済ませ、国土地理院から日付時刻指定で一等三角点を見学する許可をいただきました。お世話になった国土地理院の皆様に感謝を申し上げますm(__)m

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国土地理院鹿野山測地観測所の庁舎です。この観測所は1956(昭和31)年に開設され、現在の庁舎は1995(平成7)年に竣工したものの2012(平成24)年から無人化されていますが、現在もこの場所で地磁気の観測は続けられています。

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観測所駐車場の北東角にある一等水準点11018です。

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水準点の標石の写真です。標高は現地の看板には350.9944mと記してありますが最新のデータでは350.9888mで、5.6ミリほど低くなっているようです。

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こちらは観測所庁舎南西側にある一等三角点「鹿野山」標高352.39mです。今日は東京の桜の開花が発表され、近くの木更津でも最高気温が13時1分の20.7度と暖かく、東京湾を隔てた西の山々には春霞がかかり丹沢山を望むことはできませんでした。

なお、この三角点の直近南側には、地磁気の絶対観測に用いるコンクリート製の方位標が、西側約280m離れた位置にある絶対観測室(Ⅱ)を見通せる位置にあります。

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三角点の標石の写真です。施設管理をされている方のお話によると標石は改埋されており、改埋時に標石の傍から瓶に入った明治時代の全国大三角測量時の資料が発見されているとのことでした。ところで防護石の形状を見ると、国土地理院のHPの「基準点成果閲覧」の入口に掲載されている写真に非常に良く似ているような気がします。

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こちらは電子基準点「鹿野山」標高346.71mです。

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下の写真は庁舎北側のもので、左奥の石柱が地磁気観測に用いるプロトン1-W台、右奥が絶対観測基準台と表示されていますがその利用の詳細は分かりません。施設管理をされている方のお話によると、台に用いられている花崗岩は磁気を帯びにくい稲田産の花崗岩なのだそうです。なお、現在の観測体制についてはこちらの論文に詳しいと思われます。

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また、ここにあった上屋の土台は鉄筋コンクリートではなく、真鍮筋コンクリート?とのことで磁気に対する細かい配慮がなされていることが分かります。国土地理院の研究者の論文を読むと、施設の塗装工事の足場の結束に用いた鉄線が地磁気の人工撹乱を起こし観測に影響を与えた・・・などの記述もあって、想像以上に緻密な観測であることが分かりました。スマホなどを身に着けて観測機器に近づけば・・・きっと観測に大きな影響を与えてしまうのだろうと思います。

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地磁気観測や鹿野山測地観測所の詳細については、国土地理院のHP「国土地理院地磁気測量ホームページ」が非常に参考になります。

敷地内を一回りさせていただいたので鹿野山測地観測所の施設管理をされている方にお礼を申し上げ観測所を後にしました。いろいろなお話を聞けて時間が経つのが速かったです。

続いて観測所の近くにあるマザー牧場(入場料金@1,500円)に初めて寄ってみました。菜の花がきれいに咲いていました。桜の花が一緒に咲く時期はなお一層きれいなのだろうと思います。

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マザー牧場から鹿野山の山頂方向を望んだ写真です。山々を眺めながら鹿野山の一等三角点が鹿野山の最も標高が高い地点に設置されなかったのは、他の三角点との見通しとの関係があった・・・とのお話を思い出しました。ちなみに手前の赤い屋根の大きな建物は、マザー牧場のジンギスカンガーデンズです。

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マザー牧場を後にして測地観測所方向に戻り、ゴルフ場が数多く目につく房総半島の丘陵地帯を眺めながら以前自転車関連のブログで紹介されていた三島湖近くの隧道へ。地層が良く分かります。それにしても入口(出口?)が明る過ぎて写真を撮るのが非常に難しく、結局フラッシュ撮影になってしまいました。

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続いていくつかの隧道を探訪をしてから最後に木更津港の夕日です。日が沈んだとたんに訓練でしょうか大型のヘリコプターが何機か飛び始めました。

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こちらの近くで夕食を済ませ帰路についたのですが、帰りも首都高の渋滞にはまってしまいました。

それにしても時間を都合して事前に許可をいただき、加えて往復に相当の時間を要しても訪れた価値のある探訪でした。今度は丹沢山に挑もうと思います。近いうちに行けばヤマビル対策は不要かもしれませんが、肝心の三角点は雪の下? いつ頃が良いのやら・・・。この6月には圏央道の高尾山ICから相模原愛川ICの間が開通するみたいなのでルートのバリエーションも増えそうですからやっぱり時期をずらした方が良いのかも・・・とも思います。

※ この記事中の三角点及び電子基準点の点名及び標高は国土地理院の基準点成果等閲覧サービスから引用したものです。

2013年2月16日 (土)

湘南平

承前 2012/12/12 相模野基線

今日は、一等三角点浅間山を探訪すべく湘南平に行ってきました。この一等三角点は相模野基線を増大して我が国の一等三角点網を構築するために重要な役割を果たした三角点です。

車で出発です。風が強くて運転に気をつかいつつ、首都高から東名、小田原厚木道路と走って平塚ICで降りました。途中の休憩で海老名SAの屋台?で餃子を食べました。

自転車的には直登一気の激坂を上って「湘南平 高麗山公園」駐車場入口に到着です。

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レストハウスの展望デッキ3に昇ります。展望デッキ3の標高は194.2mとのことです。正面に見える鉄塔は平塚テレビ中継放送局で、ペンキの塗りなおし作業中でした。展望デッキ3に設置されている望遠鏡を使って見ると鉄塔のやや左側には東京スカイツリーと東京タワーが隣り合って見えました。感動ものです。

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それでは展望デッキ3からの眺めです。まずは丹沢山~大山です。左側が丹沢山、右側の緩やかな三角形の山が大山です。

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続いて、大山~鳶尾山です。鳶尾山はこの写真では稜線の右端、なだらかな丘陵部分の中に確認できます。

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次に、連光寺村と長津田村は特定することができなかったので鹿野山です。江ノ島の左奥(写真中央が江ノ島)に見える感じでしょうか。

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今度は、展望デッキを降りて400m程離れた浅間山の一等三角点を目指します。

レストハウスからしばらく歩くとレリーフがありました。この方は日本山岳界の先駆者岡野金次郎翁です。何となく聞き覚えのある名前でしたので帰ってから確認すると、「劔岳点の記」のスベア123のシーンで登場する方でした。

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ちょっとした山登りをして浅間山の頂上に到着です。浅間社の鳥居が見えます。少々樹木の枝にかかりますが、なるほど富士山を望むことができます。

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箱入りの一等三角点「浅間山」標高18128mです。所在は神奈川県中郡大磯町大字大磯です。手前の柵は浅間社の祠のものです。標柱の形状は面取されたタイプで連光寺村(天王森公園・八坂神社)、長津田村(高尾山)と同じです。こうなると、やはり鳶尾山の標柱は改埋を繰り返しているだけあって、当初に設置された標柱ではないのではないかと思えます。

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湘南平を歩きます。紅梅です。遠景には相模湾です。

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これにて相模野基線シリーズの探訪は終了です。今度は、いつになるかわかりませんが鹿野山と丹沢山に登ってみたいと思っています。

※ この記事中の三角点の点名及び標高は国土地理院の基準点成果等閲覧サービスから引用したものです。

2013年2月 2日 (土)

連光寺村

承前 2012/12/12 相模野基線

今日は春本番のような暖かい陽気のなか一等三角点「連光寺村」を探訪してきました。この一等三角点は相模野基線を増大して我が国の一等三角点網を構築するために重要な役割を果たした三角点です。

車で出発し、三角点の所在する八坂神社の森に到着です。社前には多摩市指定天然記念物の大きな「すだじい」があります。樹齢は約400年とのことです。

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八坂神社脇の公園内に三角点があります。多摩市みどりと環境課の設置した「天王森公園 多摩市最高地点 標高161.7m」の看板があります。

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一等三角点「連光寺村」標高161.71mです。所在地は多摩市連光寺六丁目で、標柱は面取されたもので一等三角点「長津田村」(高尾山)と同様のものと思われます。設置されたのは明治16年で、その当時の見晴らしは後述する明治天皇が行幸された兎狩の関係もあって非常に良かったものと思われますが、現在は横浜市方面以外の見晴らしは良くありません。

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境内には「明治天皇御野立所」の碑がありました。裏面には「此ノ地ハ明治十五年二月十六日及同十七年三月三十日御兎狩ニ行幸ノ時御野立アラセラレタル處ニシテ天王森御野立所ト稱シ奉ル 昭和十六年四月三日奉建」と刻んであります。

一等三角網の測量が開始されたころ、同じ場所で明治天皇が行幸されて兎狩をされていたということに何とも言えない感慨を覚えます。明治天皇は一等三角点の設置について御説明を受けられたのでしょうか。はたまた、兎が地元の人々に追われて上がってきたであろうかもしれないこのピークからは、その当時どんな景色が広がっていたのでしょうか。

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※ この記事中の三角点の点名及び標高は国土地理院の基準点成果等閲覧サービスから引用したものです。

2012年12月12日 (水)

相模野基線

今日は相模野基線(さがみのきせん)を探訪してきました。

相模野基線は国土地理院の地形図作成の基本的測量手法であった三角測量の最初の一歩ともいうべきものです。

国土地理院の地形図は、隣同士の一等三角点を結んで作る三角形の連なった網(一等三角網)を基礎として作成されています。

少々ややこしい話ですが、三角形の1辺の長さとその両端の角度が分かれば、他の2辺の長さは計算により求めることができます。

したがって、理論上は最初の三角形の1辺の長ささえ実測すれば、それ以降は角度のみを測ることによって全国に展開された三角網のすべての辺長を計算で求めることができることになります。

相模野基線は「一等三角網を作るために実測された最初の三角形の1辺」とでも表現すれば良いでしょうか。

下の文は、相模野基線北端点に設置されている相模原市教育委員会の「相模野基線北端点解説板」の解説文です。

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相模野基線北端点の沿革
所在地 相模原市麻溝台4丁目2,099番
沿革 相模野基線北端点は、明治15(1882)年に陸軍省参謀本部測量課(後の陸地測量部、現在の建設省国土地理院)が地形図全国整備計画に基づき、近代測量の最初の基線である相模野基線を設けるにあたり、同基線の北端にあたる当時の高座郡下溝村に設置したものです。
相模野基線は、この北端点と当時の高座郡座間入谷村に設置された南端点(座間市ひばりが丘1丁目)とを結んだ直線のことをいいます。
明治15年3月から準備作業が進められ、同年9~10月にかけて両端点間の実測測量が行われ、その基線の全長距離5209.9697mが算出されました。(相模野基線略図参照)
そして、この成果をもとに翌16年4月からは三角測量が開始され、「相模野基線網略図」のように順次((1)~(3))、基線を拡大することにより一等三角網(平均距離40kmごとに配置されている一等三角点により形作られている。)が形成され、より大きな三角網の基準となる丹沢山と鹿野山((3))の間の距離が算出されました。
その後、三角測量は順次全国へと進められ、それに基づいて作成された地形図は途中、縮尺の変更等がありましたが、大正14年には全国の5万分の1地形図として完成しました。
       建設省国土地理院監修  平成2年3月 相模原市教育委員会

※ ○数字は( )数字に置き換えました。下線を付した「基線を拡大」の表現についてはネット上を検索してみると「基線を増大」の表現も目立ちます。
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この解説文には略図が添付されていて、その略図を参照しながら読むと理解しやすいのですが、当方が作成した下の図を参照しながら次の文をお読みください。

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実は相模野基線が一等三角網の最初の基線となったのではなく、
(1)まずは相模野基線の南端点と北端点を結ぶ直線を基線として、東の長津田村及び西の鳶尾山を頂点とする2つの三角形を作り、
(2)次に長津田村と鳶尾山を結ぶ直線を基線として、南の浅間山及び北の連光寺村を頂点とする2つの三角形を作り、
(3)続いて浅間山と連光寺村を結ぶ直線を基線として、東の鹿野山及び西の丹沢山を頂点とする2つの三角形を作り、鹿野山と丹沢山を結ぶ直線を一等三角網の最初の1辺(基線)としたという手順になります。とはいえ、上の図に示した三角点はすべて一等ですので、相模野基線から始まった3段階の三角網も一等三角網なのかもしれません。

ということで探訪の開始です。早朝車に乗って出発し、まずは鳶尾山に向かいました。車を駐車できる場所を見つけるのに苦労しましたが、地元の方の散歩コースのようで中高年の方が多くおられました。一等三角点「鳶尾山」標高234.13mがあります。

※ 2013(平成25)年5月28日追記
この三角点の標石は、この三角点が移転を繰り返していること、標石自体の上部の面取りがないことなどから当初に設置された標石ではないものと思われます。

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南には一等三角点網を構築するために測量された平塚市の浅間山を見ることができました。浅間山の東(左)側には相模湾も見えました。

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続いて北端点に向かいます。途中、現在は北端点から鳶尾山を見ることは建物があって不可能と思われましたので、相模野台地からどのように鳶尾山が見えたのだろうと思い、相模野台地の東端である相模原麻溝公園東側の大山祇神社から鳶尾山を見てみました。

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相模原麻溝公園にあるグリーンタワー相模原にも昇ってみました。タワーの高さは55m、展望室の高さは38mで、展望室からは丹沢や奥多摩の山々、湘南の海、東京スカイツリーなども見えて良い景色でした。公園内で食べたホットドッグも美味しかったです。

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北端点に到着です。北端点は相模原市指定史跡であり、相模原市南区麻溝台4丁目2099にあり、一等三角点「下溝村」標高97.17mです。現地には相模原市教育委員会の解説板や相模野基線の土木學会選奨土木遺産の認定プレートなどがあります。

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続いて若干苦労して中間点に到着です。中間点は南端点とともに座間市指定重要文化財であり、座間市相模が丘2丁目346-2地先にあり、四等三角点「基線中間点」標高84.65mです。現地には座間中央ロータリークラブが寄贈した解説板があります。道路上に「相模野基線中間点 建設省国土地理院」と記されたマンホールがあり、その下に標石が設置されており、その先端には真鍮のキャップがあります。なお、中間点は1902(明治35)年、測地学会が相模野基線設定後に北端点及び南端点の間を測量した際に設けられたもので、設定が行われた1882(明治15)年の時点では、南端点から1,598mの位置に第1中間点、北端点から1,745mの位置に第2中間点が設けられていました。つまりは長さを測るときは南端点から測り始めたということでしょう。

続いて交通渋滞にあいながら南端点に到着です。南端点は座間市ひばりが丘1丁目5543番地にあり、一等三角点「座間村」標高74.90mです。現地には国土地理院が設置した北端点と同様の御影石のプレートがあります。

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最後に、一等三角点「長津田村」標高100.44mに到着です。「長津田村」は神奈川県横浜市緑区長津田町の飯縄神社(高尾さま)の境内地にあり、地形図上では東京工業大学すずかけ台キャンパスと東名高速の横浜町田ICの間に高尾山と表示されています。

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標石は上部の角が面取りされている珍しいものです。この場所からは、鳶尾山同様に南端点や北端点が見えたはずなのですが、建物の立ち並んだ現在では、どのように見えたのか知る由もありません。

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高尾山の近くにある南町田のグランベリーモールを見て帰路につきましたが、帰路の渋滞もかなりのもので、予想以上の時間を費やした探訪でしたが、懲りずに今度は、「浅間山」「連光寺村」の両三角点、更には「鹿野山」「丹沢山」の両三角点も探訪してみたいと思っています。

オマケ
理論的には基線は1本で良いはずですが、誤差の問題などから相模野基線が設定された以降に別の基線が設定さています。また5キロにも及ぶ基線の長さをどのように計測したのか、端点の構造はどうなっているのか等については、国土地理院東北地方測量部の非常に分かりやすいこちらの資料を御参照ください。

※ 2013(平成25)年5月28日追記
当方の一等三角点「連光寺村」の探訪記事はこちらです。
当方の一等三角点「浅間山」の探訪記事はこちらです。

※2014(平成26)年3月25日追記
当方の一等三角点「鹿野山」の探訪記事はこちらです。

※2014(平成26)年3月29日追記
当方の一等三角点「丹沢山」の探訪記事はこちらです。

※ この記事中の三角点の点名及び標高は国土地理院の基準点成果等閲覧サービスから引用したものです。