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2011年12月

2011年12月16日 (金)

農業気象

先日、気象に関する専門知識をお持ちの方とお話しをする機会があった。

以前から、鳩山アメダス(埼玉県比企郡鳩山町)の最低気温が周辺と比較して低いことに興味があり、当ブログでも「鳩山アメダス」として探訪しているので、その理由をお聞きしてみた。すると、即座に答えが返ってきた。超ビックリsign03 気象の世界では鳩山アメダスの最低気温が低いことは有名なようである。お答えをもとにWeb検索してみると下記の論文がヒットした。

紺野祥平・高橋日出男(首都大学東京)「埼玉県鳩山町における冬季夜間の気温逆転層について」である。全文を読むことができなくて残念なのであるが、初めに「関東平野周囲の丘陵地帯に位置する『鳩山』AMeDASは、冬季を中心とした晴天静寂な夜間に周辺観測点よりも特に低温となり、秩父の気温を下回ることも少なくない。(後略)」と記されており、観測の成果として「夜間から早朝にかけての気温の鉛直分布によれば、日の入り後すぐに逆転層が発達し、早朝には地上から高度100mまでの間で約10℃の強い逆転層が形成された。」と記されている。

何となく鳩山アメダスの最低気温を見ていて感じていたことが科学的に証明されていることに嬉しくなった。

となると・・・程度の問題はあるにせよ、標高がある程度高ければ暖かい・・・というか寒さが和らぐのだ・・・と思った。そこで調査を継続。

寄居町のHPは「風布・小林地区は、四方を山に囲まれ、低地よりも高い所の方が暖かいという盆地特有の気温の逆転現象を生かし、日本のみかん産地の北限として有名です。」と記している。さすがである。きっと、この文章を書いた方は逆転層の知識をお持ちなのだろう。もしかすると、寄居町から見た「波久礼あたりから先の霧」もこれで説明がつくのだろうか・・・とか思ったりした。

ついでにと言っては失礼だが、ときがわ町のHPを見ると「ときがわ町大附地区では温州みかんを中心に福みかん等の数種類のみかんやゆず等かんきつ類を栽培しています。」と記されており、毛呂山町のHPを見ると「毛呂山町のなかでも、滝ノ入、阿諏訪、大谷木地区は、南斜面で風当たりが弱く、霜がほとんど降らない、ゆず栽培に適した条件がそろっていたため、ゆず栽培が盛んに行われてきたのです。」と記されている。

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結局、これらの関東平野西側の丘陵地帯は、冬場は「温暖」といえるのだろうと思う。最後に、これをまとめて裏付ける論文(講演要旨)である。こちらも全文を読むことができなくて残念なのであるが「関東の農業気象 第8号」(日本農業気象学会 関東支部誌 電子媒体版)に掲載されている、紺野祥平・泉岳樹・高橋日出男(首都大院都市環境)「TERRA/ASTER夜間熱赤外線により捉えられた関東平野西部の山地斜面における斜面温暖帯」である。この中には「本研究では、関東平野西部の丘陵地帯における(中略)山地斜面中腹に明瞭な斜面温暖帯(夜間、設置逆転層の発達や斜面冷気流によって斜面中腹に現れる相対的な高温域)が確認された。」と記されている。

サイクリスト的に表現すれば、年の暮れ12月27日の夜10時近く、弓立山や堂平山あたりの方が、長楽・赤尾落合橋や鳩山ローソンあたりに比べ暖かいということである。ちょっと常識的にはなじまないけど、晴天静穏という条件のもとで確かな事実なんだと思う。

近頃は、温暖化の影響か「みかん」や「ゆず」などの柑橘類の北限が分からなくなっているのだが、日ごろ自転車で走り回っている風布にしても、大附(弓立山)にしても、滝ノ入(桂木観音)にしても、「みかん」や「ゆず」が栽培されている背景には、農業気象の科学で裏付けられる温暖な気候があるんだと、改めて納得した次第である。

それにしてもしばらく自転車に乗っていないなぁ。明日も明後日も寒そうである。鳩山アメダスの最低気温は何度であろうか。

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