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2011年2月13日 (日)

大里用水

今日は大里(おおさと)用水を探訪してきた。自転車はMTBである。大里用水は荒川の水を取水して利用する用水である。

都幾川に架かる学校橋を渡る。桜並木がだんだん大きくなってきた。奥武蔵、いや外秩父の峰々の雪も昨日に比べると薄くなっている。

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嵐山町を北上し、寄居町をかすめて深谷市(旧川本町)に入る。このブログでも何度か登場している埼玉県指定史跡鹿島古墳群に到着。

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大里用水において、かつて左岸幹線導水路から荒川の下をくぐって右岸幹線導水路に用水を送っていた江南サイホンの吐出口(はきだしぐち)跡である。場所は、鹿島古墳群から白鳥飛来地に降り始める地点の西側である。平成16年までは江南サイホンが利用されていたようであるが、もう10年以上も前に勢いよく水が出てくる様子を見たことがある。上から見ていても怖い感じがするくらいであった。

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白鳥飛来地である。餌付けを中止したためか以前と比べると白鳥が非常に少ない。常駐している方々のお話では周辺各地に分散しているとのこと。白鳥は川の中に餌がないためか、それとも効率が良いのか、そして安全と思っているのか水から上がり河川敷で草を食べている。白鳥の向こうには遠く御荷鉾山や赤久縄山が見える。

常駐している方々の話では水辺の鳥はくちばし先端の形状を見ると何を食べるかがわかるとのことだった。

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下の写真の左上は右岸幹線導水路の暗渠部分。それ以外は暗渠が開渠となる部分の写真である。これらの部分は農林水産省の直轄管理のようである。農林水産省の境界杭は初めて見たような気がする。

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押切橋を左岸側に渡る。風が非常に冷たい。雪をいただいた山々が良く見える。

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左岸幹線導水路が奈良堰幹線用水路、玉井堰幹線用水路、大里幹線用水路(国土地理院の2.5万図では「大麻生用水」)の3つの幹線用水路に分岐する堰である。なお、遠くに見えるのは熊谷特別支援学校である。

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江南サイホンの跡地である。今は撤去され落差工や魚道ができている。江南サイホンの機能の代替は六堰が果たしているとのことであるが六堰の外見上は分からなかった。

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江南サイホンの呑口(のみぐち)跡である。

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左岸幹線導水路とその沈砂池である。

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山間の沈砂池とは規模が違った。さすがに埼玉の大河荒川から取水している大規模用水だけのことはある。

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左岸幹線道水路の沈砂池附近で撮影した写真である。左上は几号水準点のように「不」という記号が刻まれている水準点である。当ブログとリンクさせていただいている「きまぐ旅写真館」の記事によれば内務省が1930(昭和5)年に荒川沿いに設置したものの一つのようである。その他の写真からは当時の設計者の美的センスというか、そのようなものを感じ取ることができる。

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六堰(ろくぜき)頭首工※に到着。埼玉県のHPによると、平成10年度から平成14年度までの5年間をかけて農林水産省関東農政局大里農地防災事業所が整備し、平成15年4月1日から埼玉県が管理を開始した堰である。

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下の写真の左上は大里用水の案内板。非常に参考になる記載がある。反対側には「国営農地総合防災事業竣工記念之碑」があり、こちらにも非常に参考になる記載がある。
右上は1939(昭和14)年に完成した旧六堰頭首工の幅12.6mのローリングゲート。案内板の説明によると、その利用目的は秩父の材木筏が堰を通るためであり、回転しながらこのローリングーゲートが上がったり下がったりして堰を開閉したようである。
左下は管理棟。右下は旧六堰の魚道の説明板。笑えない話なのだが表現が面白い。

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六堰の上を走る埼玉県道296号(菅谷寄居)線。重忠橋。

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最後に、先日の探訪でリベンジとなっていた荒川中部土地改良区の玉淀ダムからの導水幹線(導水幹線は国営用水路)の暗渠から開渠に変る部分である。水門などはない。もしかするとカニ沢制水門は更に下流なのかもしれない。再々リベンジが必要みたいである。なお、隧道の出口には「豊水潤萬物」と刻まれている。

お腹がすいたので旧国道140号線沿いの「そば処 儀平」で昼食。かつ丼セット@1,000円を食べる。今日の探訪先から消費カロリーの方が少ないと言われそうである。

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最後に道中で、初めて見た石造物の一部。邪鬼を踏みつけ下には三猿。どうみても石仏自体は馬頭観音のようにも見えるのだが・・・調べてみると庚申塔で、青面金剛(しょうめんこんごう)、邪鬼、三猿の組合せは良くあるものらしい。

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探訪甲斐のある用水であった。

※ 2011年2月14日追記
大里用水の案内板の「頭首工」の解説
頭首工とは、農業用水を河川から用水路に引き入れるための施設で、一般的には、取水を調節するための取水堰、取り入れ口、付帯施設及び管理施設から構成されています。
頭首工という用語は、明治以来用いられており、用水路の頭首部に設けられている水門、堰き堤(せきつつみ)等の施設の総称です。

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コメント

昨日、法事後の会食の席で話題になったのですが、玉淀ダムからの導水管の暗渠が老朽化が進んでいるため250億円とかの巨費をかけて改築する方向で進んでいるようです。以前、断面図を見せてもらったことがありますが直径3mほどのとても大きなものでした。当時としては大変な工事だったのでしょうね。
荒川中部土地改良区や大里用水の事務所には仕事の用で時々行くこともあります(さっそく今週行く予定ありです)が、用水路の各施設は見たことのないものも多くとても参考になりました。

コメントありがとうございます。
tomochanさんの熊谷寄居間ポタの記録を参考にさせていただきました m(_ _)m
250億円とはすごいですね。直径3mって既存暗渠はそんなに土かぶりなさそうですし・・・どうするんでしょう?

土かぶりは寄居と深谷の境あたりで3mちょっとあります。
本当かどうかわかりませんが以前聞いた話では、暗渠の内部に同じ大きさの樹脂製のパイプみたいなものを入れるのだとか。
いずれにしても、間もなく住民説明会が行われるようです。

早速にありがとうございます。
分かりました(^^ 大口径管渠の更生管築造工事って感じですね。かなりの年数経って破損やクラックもあるでしょうし、耐震化のことを考えると必要不可欠ってことでしょうか。

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